AV新法の改正

AV新法(※)は、望んでいないAVの出演や映像配布を防ぐ効果がある一方、AV業界で働く人々にとっては大変理不尽な内容となっています。

NervisionはAV新法を、出演者の基本的人権を守るかつ、AV業界にも配慮された内容に改正されることを望みます。

(※)AV新法の正式名称:性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律

AV新法の大まかな内容

※2026年1月時点の情報です。

  • 出演者と契約書の取り交わし、並びに契約書内容の説明が必須。
    また契約書の内容には、撮影内容や作品の公表・販売方法等が、きめ細かに記されていなければならない。
  • 作品の撮影は、契約から1ヶ月以上後にしなければならない。
  • 作品の公表や販売は、撮影から4ヶ月以上後にしなければならない。
  • AV出演者になったことの発表は、撮影から5ヶ月以上後にしなければならない。
  • 作品が販売されてから2年間は、出演者の希望で販売を中止させることができる。
    また出演契約を解除しても、出演者は制作者側に対する損害賠償責任を負わない。
  • 出演者は、出演契約を解除したアダルトビデオの公表中止・回収などを請求できる。
    さらに回収にかかったコストは、制作者側が負担しなければならない。
    またAVメーカーやプロダクション等が、出演者に賠償金の支払いを要求することも禁止。

AV新法の問題点

AV制作者側の問題

理不尽にも損害を被ってしまう

AV新法の施行により、制作者側は甚大な損失を被ってしまう可能性があります。

その理由は出演者の意向で、撮影や販売の中止等、一度締結した契約の解除を自由に行えるようになったためです。
またアダルトビデオの公表から2年間は、販売された作品の回収も請求可能です。

さらに撮影にかかったコストや作品の回収にかかる費用は、制作者側が負担しなければならないこととなっています。

従って出演者が出演契約の解除、作品の公表中止、販売された作品の回収等を希望した場合、制作者側は甚大な損失を被ってしまいます。

契約を自由に解約できる、解約により被った損失は会社側が負担しなければならない、このような理不尽なルールが適用されているのは、AV業界のみです。

資金繰りの悪化

AV新法の施行により、AVメーカーやプロダクションは資金繰りの悪化を余儀なくされました。

その理由は、出演者と契約してから実際に利益を回収できるようになるまでの期間が長いためです。

出演者と契約してから撮影が可能になるまでに最短1か月、撮影してから販売できるようになるまで最短4ヶ月の期間を空けなければなりません。

つまりAVメーカーやプロダクションにとっては利益を回収できるようになるのは、作品を撮影してから計5か月先となり、その間の資金繰りが困難となりました。

事業縮小

AV新法の施行により既存のAV会社は、事業を縮小せざるを得なくなることが予想されます。

その理由は、AV新法により定められたルールを守るためには多額なコストがかかったり、資金繰りが悪化したりして、事業へ投資する予算が限られてしまうためです。

AV新法の遵守のためにかかるコストの例としては、作品の自主回収費用の確保や、撮影してから公表するまでの期間の人件費支払い、等が挙げられます。

従ってAV新法の規制を遵守しようとすればするほどそれだけのコストがかかり、優良AV会社が事業縮小に追い込まれてしまうという、悪循環するシステムが構築されてしまいました。

AV女優側の問題

AV女優の仕事減少

AV新法の施行により、仕事が減ってしまったAV女優が続出しました。
実際に業界団体による調査でAV新法の施行以降、仕事が無くなってしまったAV女優が、全体の16%にも及んだというデータがあります。

その要因は主に4つあります。

1つ目の要因は、出演者と契約してから1ヶ月以上経過してからでないと、撮影ができなくなったためです。
従ってAV新法の施行後1か月以内に予定されていた撮影は、全て中止となってしまいました。

2つ目の要因は、代役の仕事がなくなってしまったためです。
企画女優にとって、急遽依頼される代役もかつては重要な仕事でした。
しかし出演者と契約してから1ヶ月以上経過してからでないと撮影できないルールにより、急遽代役を依頼されることがなくなってしまいました。

3つ目の要因は、出演実績のあるAV女優に仕事が集中してしまったためです。
制作者側としては、やはり撮影や販売の中止は避けたいところです。
従って契約解除を言い出さないと信頼できる、十分な出演実績のある女優へのオファーが集中し、出演実績や知名度が少ない女優の仕事が減ってしまいました。

4つ目の要因は、大人数のキャストが出演する作品の制作が減ってしまったためです。
大人数の中の1人だけが作品の販売中止を希望した場合、他の出演者が承諾していたとしても、販売を中止せざるを得なくなります。
知名度の低い女優にとってオムニバスを始めとした、大人数のキャストが出演する作品への出演は大切な収入源でしたが、その仕事も減ってしまいました。

結果、AV新法の施行は現役のAV女優や自分の意思でAV女優を志す女性からも仕事を奪い、大きな打撃を与えました。

撮影をキャンセルできない

AV新法の施行によりアダルトビデオ作品の撮影は、出演者と契約してから1ヶ月以上経過してからでないとできなくなりました。

その結果、出演者が体調不良になったり、身内に不幸があったりして、急遽出演できなくなった場合、撮影を中止しなければならないこととなりました。

従来は撮影を数日後に延期することができましたが、AV新法施行後は撮影を延期する場合、再度契約をし直し、再契約してからさらに1ヶ月以上の経過が必要です。

また当日や数日前に撮影が中止となれば、スタジオやスタッフのキャンセル料が発生しますが、この費用も出演者でなく制作者側が負担しなければなりません。

結果現在のAV業界では、出演者が体調不良になったり、身内に不幸があったりしても、撮影が強行されるケースが相次ぐようになりました。

女優も一度撮影をキャンセルするとメーカーからの信頼を失い、新たな仕事が入ってこなくなってしまうため、従来では撮影延期を依頼できても、現在は無理矢理出演している方が多いようです。

AVへの出演強行を防ぐために施行されたAV新法ですが、現役のAV女優にとっては皮肉にも、AV新法のせいで出演を強行されることとなっています。

まとめ

何もAV新法という法律が悪とは考えていません。
個人の性の尊厳は守られるべきであり、望まないAVの出演や映像の配布は防ぐために、AV新法は有効な法律であると思います。

私が主張したいことは、出演者側にも制作者側にも、双方の意見に耳を傾けて頂きたいということです。
このAV新法は出演者側の意見だけが反映され、制作者側の立場がまるで取り入れられておりません。

このAV新法も、業界内の優良企業からしっかりヒアリングし、出演者も制作者側も、双方が快く働ける、そんな内容の法律に改正されることを望みます。

プロフィール

Nervision代表 松田翔平

営業職やWEBディレクター職を経験した後、Nervisionを立ち上げ。
AV作品や女優の広報活動を行い、業界や社会の改革に奮闘中。

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